会報 「菜の花ニュース」
(2012.3.3発行) No.4
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●野呂美加さんお話し会
【プロフィール】 NPO法人
チェルノブイリへのかけはし代表。
1986年に起こったチェルノブイリ原発事故で被災しつづけている地域の子ども達を、1カ月間、空気や水のきれいな日本で保養させる活動を1992年に友人と始めました。これまでに招待した子どもは19年間で648人になります。
2005年、国際交流基金より「地球市民賞」受賞。福島第一原発事故発生以来、各地でお母さんたちのためのお話会を開催しています。
【チェルノブイリのかけはしの活動】 放射能で汚染された土地に住み、汚染されたものを食べている子どもたちを1ヶ月の間、放射能から疎開させる活動です。ホームステイ形式で、日本のごく普通の生活を送ります。自然で滋養あふれる食べ物を食べ、近所の子どもたちとの遊びを通して、体力を回復させるのが目的です。帰国するときには、見違えるほど元気になっています。保養を終えて、元気になった状態は、帰国してから、約半年から1年、または2年持続すると言われています。
チェルノブイリは、これからの福島や、日本にほかなりません。このような中で、子ども達の未来を守るために、私たちができることを、いろいろ教えていただきます。(
お話し会の動画はこちらからご覧になれます)
【野呂美加さんの著作】
「チェルノブイリから学んだお母さんのための放射能対策BOOK」 学陽書房
「子どもたちを内部被ばくから守るために親が出来る30のこと
―チェルノブイリの体験から」 筑摩書房
「放射能の中で生きる、母たちへ チェルノブイリからフクシマへ、子どもの命を守る知恵」 美術出版社
「いま、子どもたちを守るために知っておきたい放射能のこと ベラルーシの子どもたちが伝える低線量被曝の姿」 マザリングワークス
●ミツバチの羽音と地球の回転・上映アンケートから
◆少ない人数でがんばっている祝島の運動に元気が出た。再び泊を止める運動にがんばっていきます。(60代 女)
◆祝島のことをもっと早く知っていれば良かったです。スウェーデンの人々が明るく、賢いことに驚いています。生活の場を守りたい、自分の足元に宝物があるということを、国民すべてに気付いてほしいですね。 この旭川で、上川で、たかすで、とうまで、自然エネルギーの普及の実現に向けて、活動できたらいいです。それと、福島の方々が脱出できるようサポートもできないものでしょうか。(40代・女)
◆豊かな海と山で暮らす人々を中電があたかも心配していて繁栄を約束するかの言動に、本気で島民の暮らしを考えているとは思われない場面に、推進者の考えがよく表れていた。島民の戦いをしっかり応援したいです。(60代・男)
◆自分がこれからどのように生きていけばよいか、どういう方向を目指していたのか、少し忘れていたものを思い出しました。世界のいろいろな取り組みを学ぶことで、希望が見えてくるような気がします。 スウェーデンの事例などのような、具体的な実際的な取り組みと、その失敗や成功の部分について、もっと勉強できる機会があればよいです。(30代・女)
◆スウェーデン、デンマークへ行き、自分の目で持続可能な生活をしている方々に出会い、その生活を見ました。日本でも、一日でも早く目指すべきです。(40代・女)
◆日本の常識が世界の非常識だという事が分かった。祝島の人たちの思いが、原発事故でやっと報われると思ったが、いまだに建設中止にならない日本の姿に失望、何かやらねばと思う。(40代・男)
◆日本の漁業、農業すべてに影響するので反対、これからの日本の若者達、子どもの事をよく考えてください。原発反対のみです。(50代・女)
◆3.11の前から、自分達の生活・エネルギーについて、これだけ真剣に考えて活動している記録をみることができ、自分としても、これからの事を考える一つのきっかけがまた増えた気がする。活動が広がることを願っています。(30代・男)
◆見ている人が映画の中に入って、わらったり、怒ったり、ためいきをついたり、それがいいですね。祝島がんばれです。(60代・夫婦)
◆原発の表向き理由(エネルギー)だけでない国の本音があるかぎり難しいとは思うが、絶対いらない―反対し続けたい。(60代・女)
◆再生エネルギーへの共感が強まった。祝島の戦いは勝つでしょう。それはとてもよいことで、島民に強く感謝します。一方で、福島はじめ、原発被害者の「人柱」性に思いが広がります。(60代・男)
◆これからの日本、世界がどうなるか…不安だったり無力感を感じたりしていたが、スエーデンの人達の自然エネルギーへの考え方、多くの人達が色々な形で持続可能な社会づくりの考え方で、心が通じ合っていると思いました。 島民の反対を聞こうとしない推進派、「ああ…こうやって権利を奪うのか!」と怒りがこみ上げてきました。でも、この映画を見て、これからの日本の方向性がはっきりと見えたと思います。
◆日本が原子力を始めるに当たり、政府が国民に約束した『原子力3原則』は?(1.研究の民主的な運営,2.日本国民の自主的運営,3.一切の情報の完全公開)
◆幸せな暮らし、健康な暮らし、何も守られていない現実(怒)これ以上犠牲が必要だとは思えません。人間それぞれに考え方は違っても、生きる為に必要なものは変わらないはずです
(震災から、1年たったはずなのに、いまだ時計は止まったままのような気がします。松倉さんは、今回の事を機に、お連れ合いとともに長く住んでいた東京から移住してきました。あの日のことや思うことを書いていただきました。)
●あの日から 松倉 由美
同じように朝がきたあの日。私は東京の西に位置する杉並区の自宅でゆれに見舞われました。これはもしかしてくるぞくるぞと言われていた東海地震?関東大震災?と思いながらなすすべもなく扉が開いてしまった冷蔵庫、その上から落ちるオーブンを何かの映像を観るかのように眺めていました。
古道具なのでそもそもガタガタのダイニングテーブルにしがみつきつつ、ちょっとゆれが収まった時に、冷蔵庫から飲み物をとってきて飲む位の平常心をなんとか心がけながら。
しかし。怖かったです。学生時代までを札幌で過ごした私なのですが数年前に東京で発生した震度4程度のゆれしか経験していない身です。あらゆるものが落ち、壊れ、さっきまでの日常はどこに?という部屋。
一瞬にして変わってしまった「さっきまでの」日常...。
その本当の意味を私が知るのは画面に映った東北沿岸の風景を見た時、そして福島第一原発が自動停止したという知らせを聞いた時でした。東京でこの揺れ、また東北各県の被害状況が明らかになる中でのこの報道。嫌な予感が過ぎりました。杞憂であって欲しい・・・。
その予感は夜中の冷却不能、そして12日早朝の水素爆発という報道で確信になり、ややあって15日、放射能雲が首都圏に到達した日の午後東京を離れました。自分たちとしては命からがらの体でも、その日は普段の、三月の東京、大きくも小さくもない町の駅の風景。
自分たちのやっていることが異常なんじゃないかとも思えた一瞬。だけど誰にも依らない、自分たちで決めたこと。目に見える部分での様々な混乱もありながら、目に見えないものとの戦い。そしてそれには個人の認識の違いがあることをあの時も今も感じながら。
それでも。持続可能な社会を目指すために。私が、私たちが出来ることは。あらゆる面で、それを問われているのが今回の事でもあり、日々の中で考えていかなくてはと思いながら暮らしています。
「この町で生きていく 宿題をしながら」「そして単純なウソに ドキドキしながら」(坂本慎太郎「君はそう決めた」より引用)
●給食を考える ―暫定規制値と学校給食―
昨年の10月に「旭川および旭川近隣市町村の子供と給食を守る会」を発足し、給食に対する旭川市の対応を聞くため、公開質問状を3回提出しました。質問状への回答は、こちらの聞きたいことには全く触れず、「暫定規制値は安全」、「食品の放射性物質の測定は国が適切に行っている」等、同じ内容を繰り返すのみで的確な回答を得ることはありませんでした。
国は「暫定規制値」内であれば安全であるという姿勢を取っていますが、本当に「安全」なのでしょうか。
「暫定規制値」は、緊急を要するため食品安全委員会のリスク評価を受けずに設定(3月17日)され、厚生労働大臣がリスク評価を諮問(3月20日)、食品安全委員会委員長は「放射性物質に関する緊急とりまとめ」を通知(3月29日)、政府は食品安全委員会および原子力安全委員会等の検討を踏まえ、暫定規制値を維持(4月4日)することを決定しました。
実は、この3月29日に食品安全委員会から出された「放射性物質に関する緊急とりまとめ」の中でとても重要なことが書かれています。
飲食物摂取制限に関する指標(暫定規制値)では「飲食物中の放射性物質が健康に悪影響を及ぼすか否かを示す濃度基準ではない」、「防護対策の一つとしての飲食物摂取制限措置を導入する際の目安とする値」とされており、さらに「放射性物質は遺伝毒性発がん性を示すと考えられ」、「放射性ヨウ素及びセシウムも含めて遺伝毒性発がん物質としての詳細な評価、あるいは各核種の体内動態等に関する検討も必要である」と放射性物質が遺伝毒性発がん性リスクを持つことを認めた上で、「発がん性のリスクについての詳細な検討は行えていない等、さまざまな検討課題が残っている」ことが問題であり、今後の課題であると結論しています。
これらのことから「暫定規制値」とは、食品の出荷制限を行うための線引きをするための値で、けっして健康を考慮した指標(値)ではないということが分かります。
放射能が人体に与える影響については「なにも解っていない」というのが正しい認識だと思います。どこまでが安全で、どこから危険なのか、解っていないのです。だからこそ、避けられる被ばくは避けなくてはなりません。
そして家庭では避けることも出来る放射性物質で汚染されているかもしれない食材が、給食では何も分からないまま使われており、子供たちは強制的に食べさせられているのが現状です。給食からの被ばくゼロを目指したいと思いますが、それが無理なら出来る限り汚染されていない物を給食食材に使う事が大事です。
「給食を守る会」は、まだまだ小さい会です。子供たちの未来と健康を守るため、旭川市い対し安心、安全な食材を使うように一緒に働きかけていきましょう。
代表・小林裕昇(コバヤシヒロノブ) 連絡先メールアドレス:bluex10◎nac.com
(◎を@に置き換えてください)
「旭川および旭川近隣市町村の子供と給食を守る会」ホームページ:
http://asahikawakyushoku.web.fc2.com/
●道議会への働きかけ
チーム「「今だから」は、道議会に『泊原発1,2号機の再稼働を認めないことを求める請願』を出しました。3月10日以降に道議会で話し合われると思います。
●(再掲)放射能測定所ができました。道民放射能測定所
代表 伊藤和久 事務局長 東前久幸
使用測定機器:
ドイツ製BERTHOLD
TECHNOLOGIES社
ベクレル・モニター LB200 ヨウ化ナトリウム・シンチレーター 25mm×25mm
検出限界: 20Bq/Kg
1.この検査ではプルトニウムやストロンチウムなどの核種を特定検出しません。
2.測定結果には、天然放射性核種、カリウム40の影響が含まれます。
3.お持込頂いた試料は測定結果と一緒にお返しいたしますので、お持ち帰り下さい。
4.試料に関する情報、および測定結果はインターネット、メール配信、印刷物等で公開させて頂きます。
5.食品、水、土壌、肥料等の測定が可能です。(500g以上を容器に入れてご持参ください)
〜会員制にて運営します〜
★年会費 3,000円会員が計測した全ての結果を、毎月ご指定のメールアドレスに配信
(品名、メーカー名、製造年月日、計測結果など)
※会費は、運営上の必要経費や、イベント、勉強会等に活用させていただきます。
★会員は1検体1,000円(1検体250円の検査人件費+750円原子力災害関係者にカンパ)で、測定することができます。(依頼用紙参照)
※非会員の場合、1検体3,000円にて受け付けます。また、他の会員の検査結果の詳細情報をメール配信にて閲覧できます。
郵便振替 道民放射能測定所 02790−3−54191
お問い合わせ・連絡先
(株)風流里(小規模多機能型居宅介護)・・・ここの2Fに検査室を設置しています
〒078-1341 北海道上川郡当麻町開明2区 東前久幸 090-3393-0085 FAX
0166-84-3996 伊藤寛子
090-5983-8749
珈屋Lamp(自家焙煎珈琲の店)・・・旭川近郊の不定期検査会の会場となります
〒071-8121 北海道旭川市末広東1条1丁目7-6 伊藤和久 090-6269-5288 FAX
0166-53-0848
●(再掲)広瀬隆さん旭川講演のDVDを販売しています。
価格:500円 申し込み:こども冨貴堂(25-3169)
※動画は「
今までの活動・ビデオライブラリー
」のページでご覧になれます
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