会報 「菜の花ニュース」

菜の花ニュース
(2011.11.27発行) No.3

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 鎌仲ひとみ監督のドキュメンタリー映画「六ヶ所村ラプソディー」「ヒバクシャ 世界の終わりに」に続いて、3部作最後の「ミツバチの羽音と地球の回転」を上映いたします(※11/27に終了しました)。
 私たちは、「六ヶ所村」で、再処理工場をめぐっての人々の苦悩と、原発のかける問題を知ることができました。
 映画の中での、当時東大教授(現在原子力安全委員会委員長)斑目春樹氏のコメント「原子力発電に対して、安心する日なんかきませんよ。」「安心なんかできるわけないじゃないですか、あんな不気味なの。」「最後の処分地の話は、最後は結局お金でしょ。あの、どうしても、その、えーと、みんなが受け入れてくれないっていうんだったら、じゃ、おたくには、今までこれこれっていってたけど2倍払いましょ。それでも手を挙げないんだったら、5倍払いましょ。10倍払いましょ。どっかで国民が納得することがでてきますよ。」に、原子力研究者の本音を見たような気がします。それとともに、深い憤りを感じました。
 でも、米作農家の苫米地さんの「よく考えてみて、中立って言うのは、いい言葉なんだけど、核燃に関しては賛成と反対しかないんだよ。中立って言うのは賛成なんだよ。反対って言わないし、行動もしないし、なーんにもしないでしょ。原燃がやってることをただただ、見てるだけ、見てるって事は、容認してるわけで、賛成派なんだよ。中立が、一番楽なんだよ」の言葉に力づけられました。
 「ヒバクシャ」では、放射能は長く長く人々を蝕んでいくこと、世界中に放射能と向き合って生活しなければならない人々の苦悩を知りました。そして、3・11以降、私たちの周りにも放射能は降り続け、私たちも放射能と向き合う生活をしなければならなくなりました。

 今回の「ミツバチ」は、2010年封切りの映画です。鎌仲さんの3部作がいずれも3.11まえに作られていたことに驚きを感じます。この映画は、3.11以降を生きていかなければならい私たちに、少しの希望を与えてくれると思います。
 瀬戸内海に浮かぶ山口県上関町祝島。1982年に中国電力が山口県上関町四代田ノ浦に出力135万キロワット級の沸騰水型軽水炉2基の建設計画を発表しました。原発建設予定地は祝島の対岸、海を隔ててわずか4キロ先にあります。漁師やおばちゃんたちがきれいな海を守りたいとたちあがりました。島の女性たち中心になり、島内デモが始まりました。毎週月曜日の夕方、島内デモが、今年6月20日のデモで通産1100回になりました。
 長年にわったて反対運動を繰り広げる島民、「中国電力に頼らない暮らしをしたい」という若者、幸せな暮らしとはなにかを、考えさせられると思います。
 もう少し詳しく知りたい方は、祝島島民の会ホームページ(http://shimabito.net/)をご覧ください。


●9月から11月までの「チーム今だから」

■9月3日の斉藤武一さん講演会のあと、「チーム今だから」は、様々な集まりを持ちました。その一つ一つが、私たちの暮らしの中で、原発、エネルギーを考え、どういう暮らし方をしたいのかを問いつづける力となりました。

■9月11日、急なことだったのですが、田中優さんに「新エネルギーと未来の話」といことで講演をしていただきました。会場はライブハウス「モスキート」(3条通9丁目木下ビル)、こんなエネルギーがあるのかと驚き、明るい未来を感じることができました。その後、このモスキートは「チーム今だから」の若者組が出入りしています。ミュージシャン「ウォッチマン」のライブには、安全でおいしい食事を提供したり、集まっておしゃべりする場になっています。興味のある方、どうぞお出かけください。様々な情報も手に入ります。

■さようなら原発1000万人アクション旭川ということで、『原発さよならちんたら演芸会』を9月19日(月祝)に旭川市市民活動交流センターCoCoDe屋外広場で行いました。
 当日は、食べマルシェの3日目。1000万人アクションでデモをしたかったのですが、無理であろうという事で、演芸会をすることになったのです。とても楽しくて、それにたくさんの仲間ができて、こんな表現の仕方もいいなあと思いました。当日の様子はメンバーのブログ「らいるのひび」「脱原発アクション NO NUKES 旭川 」でご覧ください。


●斉藤武一さん講演会のアンケートから

◆こんなわかりやすい紙芝居を観て感動しています。多くの人にどうやって見てもらうか”DVD“も作ってほしいくらいでした。3・11以来、原発反対をこれからの人生で中心にしていこうと思っている。60代ですが!

◆難しい話をわかりやすく教えていただきました。今(地デジ化のあとTVがないのでよくわからないところもありますが)原発問題は分かれ目に来ていると思います。本当に真剣に廃原発に向かうか、ニュースでいう「安全性」に慣れて行ってしまうのか。放射能の影響は時間がかかるので、危険を自覚するのは難しい。このような講演に来ない人たちこそ知らせていかなくてはと思いました。福島以降NEWSをよく見ていますが、日本のTOPは、戦前、戦中の状況とあまり変わっていない気がします。

◆とてもわかりやすく勉強になりました。新聞やTVニュースでの情報も、どれも操作されていて信用できません。今日は有意義な1日となりました。ありがとうございます。考えない大人、知ろうとしない大人が増えて、とんでもない日本になってしまった。日本人でいることがハズカシイ!

◆内部被ばくの話がわかりやすかったです。量が少ないから影響がないというのが嘘だという事がわかりました。国が早く、本当に危ないということを正式に発表して、不安に思っている人たちが堂々と、逃げたり、食物を選んだりできるようになってほしいと思います。地域や家族の間で意見が分かれて、関係が壊れてしまうのはひどいことです。
 外で風に吹かれたり、雨にあたったりして過ごすことは本当に気持ちのよい幸せなことですが、それが失われることが悲しいことだと思います。全く今までと変わらない自然なのに。

◆原発は恐ろしい、即廃止したいです。今日現在の生活が不安です。悲しいです。忘れ去られる恐ろしさを感じます。あんなにさわがれた原発事故なのに、今日現在放射能がどれだけ放出されたいつのか報道されていません。しかし汚染は進んでいるはずなのに、あtらかも約束したかの様に静かだ。国民は危険度がなくなったかのように思いかかっている。が、忘れ、そして、消されてしまっては大変なことである。明らかにせよと叫びたい。

◆子供、未来の為、そして何よりも自分の体の為にも原発の事を本当に知りたいと思わされる。お話ありがとうございました。放射性、害の基本的な話から、これからの泊原発の話、政治、社会システムの問題まで考えさせられる。もっともっと勉強したい、考えたいと思っています。子どもも自分も雨にぬれて楽しく遊んでおりましたし、それが大好きです。とりあえず免疫力をupさせるべく楽しく過ごしていきたいと思います。
 放射能の不安が減るようにどうするのかまず知りたいです。本当は雨にぬれるのもこわいんです。でも、雨も好き、これ以上不安が増えない為にも脱原発。

◆原発の温排水の温度を毎日はかる、34年間という地道だけれど確実な行動に頭が下がります。ひとりからの行動にはげまされます。そして、自分が知ったこと、わかったこと、考えていることを紙芝居という手段で、人に伝えていく、つながってゆくことも大切なのだと教えられました。ありがとうございます。今度こそ原発は止める、原発はいらないと、いつも思っています。


●広瀬隆さん講演会のアンケートから

◆明快な話で大変わかりやすく、問題の核心にふれた話がきけました。私も高橋バカはるみや、電力会社のバカどもの息の根をとめてやりたいと思う。日本の報道が大事なこと(国にとって不都合なこと)に全く報道しないというのにそのとおりと思いますし、そのことが招く恐ろしい結果というのを日々かんじています。今朝道新の記事を怒りを持って読んだ人は、どのくらいいるだろう。真実の方が大げさだとか極論と言って追いやられてしまうことが悔しくてなりません。
 広瀬先生の本(「原発時限爆弾」)を読ませてもらい、本当に予言書とおもうくらいふるえが来ました。あれは現実にもとづいて書かれているというのがより恐ろしいと思いました。でも、これを恐ろしいとフタをしてしまうことは、もっと恐ろしい事なんだと思い、原発を1日でも早く止めるための取り組みを自分自身全力でやらなければならないと思っています。今すぐとめなくちゃ。(40代・女)

◆私達がいかに大切なことを知らされていないかがわかり、涙が出るほどに驚きです。地震国の日本、総ての原発を止めなければ…と思う。そして、安全な電力で平和な生活ができるよう、原点に立って考えたい。
 原発賛成の人にも是非聞いてほしかった。また機会を作ってほしい。

◆広瀬隆さんの講演を本当に効きたいと思っていたので、今日はとても意義がありました。本当に深刻な事態だと改めて実感しました。原発は必ず廃止にしなくてはいけないですね。
 大震災後、ネットで広瀬さんのお話を聞いて、テレビでわからなかった事実を知ることができて感謝しています。また講演を開いて頂きたいです。

◆福島県を含む周囲の汚染地域で作られた農作物は、やはり食べられない。彼らには、何の罪もないのに、かわいそうだけれど申し訳ないけれど買うことができない。と思いました。原発はやめないといけない。他の方法で発電させる国にしないといけない。
 日本全国危険だけれど「泊」やめさせないといけない。国民は、もっと政治に興味関心をもち、きちんと自分の頭で考えて、政治家を選ばないといけない。

◆本当に本当にとんでもないことになってしまったのだとあらためて心の底から怖くなりました。今起こっていることは厳しすぎる。広瀬さんのこの講演をもっとたくさんの人達にきいてもらいたい。やらなくてはならないことが多いですね。何かしたいです。
 何度も何度もこのような意義のある講演を続けてほしいです。メディアを動かせないでしょうか。

◆新聞、テレビ、ラジオなどでの報道も徐々に少なくなり関心が薄くなってきていたので、すごく強い刺激になりました。わかりやすく、表、図など(動画も含め)使っての講演、大変、今後の自分の生き方、考え方、関心のない人たちに教えていこうと思います。
 長時間とは全然感じず、自分にとっても貴重な時間で、誠にありがとうございました。ご体力の続く限り、日本中を刺激していただきたく思います。

◆詳細なる客観的な資料に基づいた内容に納得しました。長年の原発反対者として、説得力があり、もっと新聞テレビに登場してくれないものかと歯がゆい気持ちです。恐ろしいですね、戦前と同じ報道を規制。正しい情報を得るにはどのようにしたら良いのでしょう。
 6日鎌田氏、10日木下氏、11日広瀬氏、東京近郊に在住の研究者、ジャーナリストの目で、心で感じ、考えていることを生の声で聞き、胸が痛くなるとともに、今すべきこと、改めて自分自身を奮い立たせている所です。

◆恐ろしいです。予想していた以上に大変な状況であることがよくわかりました。本当の豊かさ、安心して暮らすためにどうすればよいのか、真剣に考えなければいけないと痛感しました。このような講演会を開催していただきありがとうございました。


●はじめから原発について知りたいあなたに

『私のための原発メモ』 中山千夏(原発メモ作成委員会)
 福島第一原発事故以降、原発関連の本が続々と出版されています。どの本を選んで読むか、読まないかは読者の自由でしょう。そして原発のことを考えないで生活するのも、個人の権利かもしれない。でも、道民のだれもが原発から生まれたエネルギーも含めた電気を使って生活しています。だから、原発はみんなに関わっている事なんですね。
 中山千夏さんも3・11の大震災がきっかけで起きたフクシマの衝撃から、原発のことを改めて勉強しなおし、ずっと原発に反対だったのは何故だったのか原点に戻って改めて考えて、メモとしてまとめたのがこの小冊子です。メモという形式なのでテーマごとに整理して書いてあるので読みやすい。
 例えば原子力発電は、どういう方法で発電しているかというと、水を使って蒸気の力で電気を生み出している。つまり、火力発電と原発は同じ「蒸気力発電」であって、蒸気を発生させる湯沸しの燃料に石油を使うか核燃料かの違いだけである(文中より)。いたって単純な原理で、放射能を出しながら電気を生み出している、それも効率の悪さに驚きを感じてしまいます。
 原発のことを、普通に生活できている人たちもタブーにせず、話題にできるきっかけ作りに最適のこの小冊子は、直接発行所にハガキで申し込むと、送料プラス少しのカンパで手に入りますが、こども冨貴堂 (7条通8丁目買物公園)で1冊100円にして販売もしています。原発のことを初歩から知りたい人に、ぜひ。(土井美千代)
申し込み先 〒162-0828 東京都新宿区袋町23 原発メモ作成委員会 宛 (連絡先を明記のこと)
インターネットでダウンロード もできます。


●「旭川および旭川近隣市町村の子供と給食を守る会」発足のお知しらせ

 3月11日の地震の後、全国の保護者から学校給食の安全性を疑問視する声が高まっています。これは他国と比べると異常に高い食品の暫定基準値にあると考えられます。日本の暫定基準値は野菜においてセシウム500Bq/kgですが、一番高い米国でも170Bq/kg、ウクライナやベラルーシでは1/10以下の37〜40Bq/kgとなっています。
 4月5月の段階では、個人的に情報を集めている状況でした。国の検査では野菜などの放射性物質汚染に関しては全量検査を行っておらず、また出荷制限が解除された地域の食材は一度解除されると再検査もないことを知り、給食の食材に対して危険性を拭えないことを子供が通う学校に伝えたところ、6月から給食の献立表に産地を記載してくれるようになり、一安心していました。しかし、基準値を超えるセシウム汚染された牛肉が流通し、一部本州の学校給食に使われたことがニュースになり、このままではいけないと思いました。この時、既に学校は夏休みに入っていたことから、旭川市教育委員会に対し夏休み明けから全ての食材の産地を明らかにして欲しいと要望しました。現在、教育委員会のホームページでは10月以降に使われた食材の産地情報を見ることが出来るようになっています。
 そのような中で、消費者庁は保護者の給食への不安を払拭するために、食品の放射性物質を測定する機器(ベクレルモニタ)の市町村への無償貸与の施策を発表しました。てっきり旭川市は測定器貸与の申請をするものと思っていましたが、平成23年第3回定例会9月14日の久保あつこ議員の一般質問に対して、市は「学校給食に使う食材ついて、暫定基準値内であれば安全である」、「測定器の貸与を受ける気はない」、「食材の検査をする必要はない」との答弁を行いました。
 これには大いに失望しました。夏場は北海道産野菜を使うことができても、冬期間はそうはいきません。子を持つ一般市民として、この市の答弁に大いに疑問を抱きました。そして、議会でこのような答弁が行われたということで、もう個人で要望を出して行くにも限度があると感じ、「旭川および旭川近隣市町村の子供と給食を守る会」を発足しました。
 現在、旭川市には議会答弁における「食材の安全性に対する根拠」を提示するように公開質問状を提出しています。 最終的には、以下の5点について市に要望します。
1.給食による内部被曝ゼロを目指す
2.「安心・安全な食材」であることを保証できるよう、必要な測定器を購入する
3.放射線測定の専門家による主要食材の全核種検査を施行し、速やかに結果を公表する。
4.検査は最低週1回行い、食材の生産地に変更があった場合はその都度検査を行う。
5.以上の対策が迅速にできない場合は給食、持参弁当の選択制を導入する。
 多くの方々に会に参加して頂き、子供達を給食による内部被ばくから守るために、一緒に活動していきましょう。
「旭川および旭川近隣市町村の子供と給食を守る会」ホームページ: http://asahikawakyushoku.web.fc2.com/
代表:小林裕昇(コバヤシヒロノブ) 連絡先メールアドレス:bluex10◎nac.com (◎を@に置き換えてください)


●放射能測定所ができました。道民放射能測定所

代表 伊藤和久  事務局長 東前久幸
使用測定機器: ドイツ製BERTHOLD TECHNOLOGIES社
ベクレル・モニター LB200  ヨウ化ナトリウム・シンチレーター 25mm×25mm
検出限界: 20Bq/Kg
1.この検査ではプルトニウムやストロンチウムなどの核種を特定検出しません。
2.測定結果には、天然放射性核種、カリウム40の影響が含まれます。
3.お持込頂いた試料は測定結果と一緒にお返しいたしますので、お持ち帰り下さい。
4.試料に関する情報、および測定結果はインターネット、メール配信、印刷物等で公開させて頂きます。
5.食品、水、土壌、肥料等の測定が可能です。(500g以上を容器に入れてご持参ください)
〜会員制にて運営します〜
★年会費 3,000円会員が計測した全ての結果を、毎月ご指定のメールアドレスに配信
 (品名、メーカー名、製造年月日、計測結果など)
 ※会費は、運営上の必要経費や、イベント、勉強会等に活用させていただきます。
★会員は1検体1,000円(1検体250円の検査人件費+750円原子力災害関係者にカンパ)で、測定することができます。(依頼用紙参照)
 ※非会員の場合、1検体3,000円にて受け付けます。また、他の会員の検査結果の詳細情報をメール配信にて閲覧できます。
郵便振替 道民放射能測定所 02790−3−54191

お問い合わせ・連絡先
(株)風流里(小規模多機能型居宅介護)・・・ここの2Fに検査室を設置しています
〒078-1341 北海道上川郡当麻町開明2区 東前久幸 090-3393-0085 FAX 0166-84-3996 伊藤寛子 090-5983-8749
珈屋Lamp(自家焙煎珈琲の店)・・・旭川近郊の不定期検査会の会場となります
〒071-8121 北海道旭川市末広東1条1丁目7-6 伊藤和久 090-6269-5288 FAX 0166-53-0848


●広瀬隆さん旭川講演のDVDを販売しています。

価格:500円 申し込み:こども冨貴堂(25-3169)
※動画は「今までの活動・ビデオライブラリー 」のページでご覧になれます


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