会報 「菜の花ニュース」

菜の花ニュース
 (2011.6.27発行) No.1

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●「ヒバクシャ 世界の終わりに」上映会 今、なぜヒバクシャか?

 今回の「ヒバクシャ」は、鎌仲ひとみ監督の核についての初めての作品です。イラクの劣化ウラン弾を取材に行った時に、その悲惨さを目の当たりにし、制作したそうです。
 ヒバクシャには、被爆者と被曝者があります。被爆は核爆弾を受けることであり、被曝は放射能にさらされることを言います。
 世界中のあちこちで放射能にされされて暮らしている人々がたくさんいます。核実験の風下の人々、原子力発電所、再処理工場などの事故で放射能にさらされている人々、放射能廃棄物で
作った兵器などで、放射能にさらされている人々。そして、私たち。
 放射能物質は風に乗って運ばれ、海に入った放射性物質は海流で運ばれ、世界中に拡散されます。そして、世界中が汚染されます。
 アメリカやソビエト、フランス、中国等の核実験は、大気圏内だけでも500回、そのたびに、放射性物質は風に乗って、世界中に散っていきました。子どもの頃、雨に当たるな、雪を食べるなと
言われた経験がある方もいらっしゃるでしょう。
 核実験でも、事故でも、多くの風下の人々は、知らされることなく、放射能にさらされたと聞きます。そして、少しずつ被曝が繰り返され、やがて多くの人々が、放射能が起因らしい病気にかかる
と各地で報告されています。影響は、何年も後に現れるのです。
 今、福島原発は「天井のない原発」になり、毎日少しずつ放射性物質を空中にまき散らしています。ここ、北海道にもその物質は確実に届き、さらさらと降り積もっているのが想像され、若い人々や子どもの健康が気になります。だから、この映画に決めました。


●六ヶ所村は近くなりました 『六ヶ所村ラプソディー』

 4月29日の「六ヶ所村ラプソディー」上映会に、427人の来場がありました。事故の後だったとはいえ想定外の人数でした。関心の高さがうかがえました。
 また、会場で販売した玉子、パン、グッズ類の売り上げ、皆さんから寄せられたカンパは、合計40、960円になりました。六ヶ所村の菊川慶子さんに運動の支援金として送りました。菊川さんが主催されていたチューリップまつりは、今年19回を区切りに終了しましたが、野菜を育て、ジャムを作り、9月のエネルギー学校に向けての準備にかかってらっしゃるようです。詳しくはHP「花とハーブの里」(このまま検索して下さい)にあります。どうぞご訪問ください。
 会場で配りましたアンケートも128枚提出していただきました。用紙いっぱい書いてくださる方が多く、読んでいて本当に今、この映画をしてよかったと思いました。その中から、ほんの少数ですが以下に掲載いたします。
 
◆見てほんとうによかったです。ありがとうございます。六ヶ所村や原発のこと知ってはいたけれど、何も出来ていなかったこと、とまべちさんの話を聞いて、私も賛成と同じ中立だったと思って恥ずかしくなりました。原子力の恩恵を受けていること、恥ずかしく思いました。もっともっとたくさんの人に見てほしいし、少しでも出来ることをどんどんやっていきたいと思いました。現実はすざましいということをたくさんの人に知ってほしい。(20代)

◆原発の再処理等、反対の気持ちはあるものの漠然としたままで、もっと深い関心を持ち、生活していきたいと思っていました。今回の大震災をうけ、一層の気持ちは強く、この機会を与えられ、とてもよかった。映画とてもよかった、そしていろいろ考えている。(50代)

◆買物公園でデモ行進をしている方に出会い、本日参りました。東京の友人らは、反原発心を持つ私を変り者と思っていると感じ、温度差はあるけれど、今日ここに来ている人たちとはきっと同じ温度なんだと思います。自分の直感を大切にします。有難うございました。福島の事故が起こるまで、余りに平和ボケしていました。あの日で人生が変わりました。東京から北海道へ一人移住してしまいました。今後微力ではありますが、反原発の一市民として生きたいと考えます。(30代)

◆故郷が泊原発30km内にあり、切実な思いで鑑賞させていただきました。あらためて核の怖さを実感した時でした。子ども達には負わせたくない負の遺産です。小さな力ですが、まず出来ることからはじめたいと思います。(70代)

◆自然豊かな六ヶ所村に核燃がくることで村全体(くらし)が破壊されてきているその中で、菊川さんの生き方はたくましくすばらしいと思います。子どもたちのために再処理工場を中止させたいと思いました。原発は絶対反対です。自然エネルギーの太陽や地熱など利用し、また、暮らし方を変える必要があると思います。災害被害の救済には軍需予算を減らし、アメリカに対する思いやりの支出見直しなど検討してもらいたいです。(70代)

◆福島原発の恐さを改めて感じました。六ヶ所村に核燃料廃棄物の処理施設があることは知っていましたが、こんな大変なものを作っているとは知りませんでした。ぜひ、止めるべきです!!(60代)

◆もっともっと早く見たかった!でも『今だから』と上映してくださったことに本当に感謝。自然科学を学んだもののはしくれとして、私は放射能元素の恐さを知ると、ウランやプルトニウムを、地下深くから掘り出して燃料にするようなエネルギー政策を絶対支持できない。それなのに原発は日本に54基も!3.11の震災以来、原発がなかったらもっと復興の動きが(少しは)早くなったと思う。映画の中で東大の学者(斑目)がニヤニヤ笑いながら、コメントする姿に腹が立った。このような学者たちの多くが、東電や原発を広めた当時の権力と結び、日本のエネルギー政策の開発の方向を誤った方へ持ってきたのだと思う。毎日、新聞の放射性元素の値を見ながら、旭川は北海道で一番高い値なので、それが不安!(60代)

◆身近なことです。被爆国日本には、原発は不要なものです。原発の電気を使用しなければいけない生活している私自身の生活を見直さなければと考えています。実行できることから実行します。今年はベラルーシから被曝した被曝2世の子ども達を受け入れる事が出来るかも真剣に考えなければいけない正念場の時期と考えています。(60代)

◆私たちは自分のことしか考えていない社会にしてしまった責任はとても大きいと思います。小さな子供を育てている者として、子どもの未来を安全なものにしていかなければならないという思いが改めて胸に突き刺さりました。中立ではいけない、少数派でも声を上げることが今できることの1つだと強く感じます。(40代)らいじょう

◆本当にひどい現実になっていたのだとわかった。今、研究者は本当はキケンなのだ、アブナイのだとコメントを発表するが、どうして少し前に止められなかったのか。生活のレベルダウンを!!と、アピールしなかったのかと、歯ぎしりする思いだ。本当にみんな足元を見直そう。原発に頼らない暮らしを考えよう!(70代)

◆この時期に上映していただきありがとうございました。見れてよかった。2児の母として、こども達に伝えなくてはと思いました。住んでいる人たちのさまざまな思い、不安。自分が出来る事はなんなのか。遠かった青森が近くに感じました。電気を使う人、全国民で見るべき、知るべきです。
 今回の原発事故で、友人は住む場所をうばわれました。「もう帰れないと思う」と話した友人。生活していた場所を全て奪ってしまうおそろしい事です。(30代)

◆作品の内容はともかく、こうして知る機会を与えてくれたことに関しては感謝します。斑目さん(安全保安院)の話は興味深かったです。頭越しに原子力の反対…と言ってばかりいてはらちがあかないので、原子力推進派の方の講演を聞いてみたい。(武田邦彦教授とか)(30代)

◆知らないという事はいけない。関心を持つことの大切さを痛感しました。イギリスの漁師さんの意識の高さに驚き、そして、日本の出演者(クリーニング屋さん、土建屋さん)そして、漁師、すべての六ヶ所間近に住む人に悲しみを感じました。私もその一人です。YesかNoか、好き?嫌い?自分の気持ちに正直に、中立はとらないような人生を私も歩みたいです。とりあえず、今日からいらない元気は消します。20年に渡って映画を作った方の映画を見てみたいです。(30代)

◆震災が起きるまで、原発のことについて長く考えることはありませんでした。知らなかったからです。知ろうとしなかったことも、原発容認の立場になるのかもしれないと感じました。少しずつ、周囲から原発について考えたり知ることの必要性を広めていきたいと思いました。(20代)

◆3.11の地震の後から原発に関心を持ち、反対するようになりました。知識のある人の方が少ないことを再認識、新たなことを知る事が出来て良かったです。今後色々な人に伝えたくなる内容でした。ありがとうございます。映画内の人や多くの原発反対者の方が自分の非力さや、無知、無関心だった過去を責める姿を目にしますが、広く大きな心と愛で自分の過去をゆるし、今、少しでも動いている自分を大きくほめてあげて欲しいと思います。(30代)


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